重力変動観測は、地下の質量移動(噴火活動に伴う地下水の移動やマグマの移動など)を検出する目的で行っています。
 観測方法は、ふもとの長者原から、上りと下りにそれぞれ1回ずつ計2回の測定を各観測点(現在16点)で行い、その経時変化を見ることにより、地下でどのような質量変化が起きているかを観測します。

 観測に用いている重力計は、カナダシントレックス社のCG−3M型自動重力計(写真)です。また、CG-3Mの仕様は以下の通りです。

基本動作原理 スプリング式無定位型重力計
寸法 240mm×310mm×320mm
重量 11.4kg
公称精度 1 (10) microgal
測定可能範囲 7000 mgal
センサー部弾性体 溶融石英
記録媒体 48k (16k) RAM

*カッコ内は、CG-3

(1999年5月7日)

 噴火直後急激に重力が上昇し、その後ゆっくりと低下する傾向が見られます。これは、地下から供給される高温ガスに、気化される水の量と周辺から流入する水とがバランスしつつあると考えられます。また6月末から7月にかけて一時的に重力の上昇が見られますが、これは梅雨期の多量の降水による地下浸透の効果と考えられます。

重力の経時変化を見ると、山麓側の観測点と山頂側の観測点とで変化の仕方が異なっています(上図)。

山頂側の経時変化を見ると、5つの時期に分けることができます(下図)。この5つの時期についてコンターを作成すると次のようになります。

経時変化の期間分類

期間@

期間A

期間B

期間C

期間D